【普段のオーケストラと映画のコラボした演奏の違いはなんですか?】


私たちはコンサートホールでの定期公演のクラシックや、新国立劇場のオペラやバレエ、ポップス・映画・ゲーム音楽の演奏をしていることが多いです。通常のクラシックは、指揮者の音楽性に演奏者の個性を合わせます。でも今回のような映画音楽は、既に出来ているものに合わせるのである意味機械的ですね。そこに芸術性をいかに合わせるかという難しさが映画音楽にはあります。当たり前ですが映画にはストーリーがあり、無駄がなく、音楽の転換がとても早いです。急に危機的な場面になることが多く、そういう時に臨機応変に音をつけるのが難しいけど楽しみでもあります。あと、指揮者との駆け引きがあるんです。すぐに振りだすこともあるので、いかに柔軟にタイミングを合わせるかがポイントですね。私自身スター・ウォーズがすごく好きで、演奏中にシーンを思い出して、想像して弾いていたので感情が入りました。


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【何を心掛けて演奏されていますか?】


作曲家の意図を汲み取って、出来るだけ楽譜に忠実に、そこに指揮者の音楽性を合わせて弾くことを心掛けています。作曲家がどんな人であれ、どんな音楽であれ、その人が何か想いを持って書いているので、それに相応しい音を考えてはめ込んで、最もその瞬間が光るようにしています。


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【オーケストラにあまり触れたことがない人に向けて行なっていることは?】


今回のような映画やゲーム音楽の公演だと、初めてオーケストラを聴きに来る方もいらっしゃるのですが、演奏でホールの中の空気が振動するので、耳だけでなく肌で音を感じることにビックリされる方が多いですね。音楽に詳しくなくても、本能的に感覚が鋭い人はそれでゾワゾワしたり、泣かれたりすることもありますよ。なので、一度来ていただくとオーケストラの良さがとても伝わるかなと思います。


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【私自身は音楽がすごく好きで生演奏も聴きに行ったりするのですが、普段聴かない方に対して魅力を教えて下さい♡】


私たちはただ楽器を弾いて音を聴かせているだけではないんです。演奏するホール自体も楽器なので、ホールを味方につけて私たちの音楽をお客さんに届けるようにしています。ですので、是非ホールにお越しになって肌で感じていただきたいです。また、私たち演奏者の「表情」や「気」も感じてほしいですね。緊張感はその場でしか味わえないので。


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【スター・ウォーズだからこそ意識したポイントがあれば教えてください】


金管楽器の人がすごく大変だと思います。展開がとても早いので、ずっと演奏しています。音楽がないシーンが多い映画もありますが、スターウォーズは映像と音楽が、同じくらいどちらも主役です。

また、運命だったり、どうしようもなくやりきれない場面だったり、登場人物の死とか。そういったシリアスな場面が多く、明るくて楽しいというような音よりは、重くて厳しい音が多いですね。


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【新たにやってみたいこと、挑戦してみたいことはありますか?】


私たちは本当に今まで思いつく限りのことは、オーケストラはやってしまっているので、新たにというと後はスポーツの分野ですかね。例えばフィギュアスケートや新体操と生演奏をコラボとか。個人的には水中バレエとしてみたいですね。水槽の中で演技されているのをバックにオーケストラを演奏したいです。


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【シネマコンサートを体感した皿田麻由の感想はコチラ♪】


音楽が好きでよく生音に近いレコードを聴いたり、コンサートなどによく行くので、今回の取材をとても楽しみにしていました♪オーケストラの生演奏を聴くことは初めてだったのですが、オープニングから会場全体に音が響き渡り鳥肌が立ちました。生演奏なので、音が生きているし、緊迫したシーンや穏やかなシーンなど、オーケストラの方々の感情も伝わってきて、よりリアルに肌で感じることができました。

生演奏の魅力はオーケストラの方々が、シーンごとに対する喜びや悲しみ、緊張感などの感情を表現されているので、空気感を感じながら観ることができることだと思います!

今回はスター・ウォーズの演奏だったので、緊迫したシーンが多く迫力のある演奏でしたが、他の映画だと全く違う演奏になると思うので他の映画とのコラボも観てみたいです♡

劇場に行き、空気感を味わっていただくと生演奏の魅力がとても伝わると思います。

最後のジェダイ " 私も必ず観に行きます!


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インタビュアー:皿田 麻由(MONAモデル)




《東京フィルハーモニー交響楽団》


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坂口 正明 様(写真・右)

第1ヴァイオリン奏者


戸上 眞里 様(写真・中)

第2ヴァイオリン首席奏者


五箇 正明 様(写真・左)

トロンボーン首席奏者






次回シネマ・コンサート告知



『ラブ・アクチュアリー in コンサート』
2017年12月22日(金)19:00開演
グランキューブ大阪・メインホール

2017年12月25日(月)19:00開演
東京国際フォーラム ホールA

上映作品:
『ラブ・アクチュアリー』※英語上映・日本語字幕付き
(音楽:クレイグ・アームストロング)

コンサート出演:
指揮:ティアゴ・ティベリオ
演奏:日本センチュリー交響楽団(大阪公演)
   東京フィルハーモニー交響楽団(東京公演)

詳細は、コンサート公式サイトより
http://www.promax.co.jp/loveactually/



映画情報
『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のその後を描く、
シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』
12月15日(金)全国公開
http://starwars.disney.co.jp/