2023-10-10 22:27:03

登場人物全員にスポットライトを。関西で長く生き延びられるエンターテイナーを増やす。

SOARS MUSICAL PROJECT 代表 片山行茂様とArtist Unitイカスケの青木道弘様(脚本・演出)にインタビューをさせていただきました。

先日2023年9月29日から10月1日全6公演行われたミュージカル『アンサンブルトルネード』

セットなしの囲み舞台で繰り広げられるストーリーは、童話のアンサンブルで普段は光の当たることのない脇役達が大活躍していました。

一人一人の個性が活かされたキャラクターは目が離せず、誰しもが人生の主役とはこういうことなのだと。また、向き合う大切さも教えてくれました。

笑い要素も盛り沢山!様々な伏線があり回収されていく。

演者との距離も近く、まるで自分もその物語の一員かのように遊び心が詰まった心踊るミュージカルでした。

覚悟・想いが詰まった作品に終始心が温かくなりました。

今に至るまでの経緯を教えてください。

片山:仕事し始める前はずっと音楽をやっていました。

子どもの頃は、映画監督になりたいと思っていたんです。


つかこうへいさんの蒲田行進曲という映画で最後に松坂慶子さんや女優が華やかに終わった後に、うわーって拍手と同時にセットが開き、監督がみんなから花をもらって、名前が出てくる時にかっこいいと思ったのがきっかけです。

その前にいっぱい笑って泣いたんですよ。だから「すげー!!」と思って。こんな人みたいになれたら良いなって思いました。


ただ子どもだったからどうやったらなれるかわからず、漫画を書きだしたんです。ストーリーもキャラクターも全部できるからと思って漫画からスタートしようとしたけど、話を作るのに1ヶ月以上かかるので費用対効果が良くなくて。


それはそれでモテたんです。「絵上手い!絵上手!」ってみんな言ってだけど、隣のクラスでギター持ったやつが出てきたらそっちにみんな行ってしまって。そこで悔しくなって音楽を始めたんです。


高校ぐらいからバンド活動を始めてそれで食べていこうと。音楽で売れて映画監督になったらいいんじゃないかと思いました。そして、26歳の時にデビューして東京行って、 28歳ぐらいの頃に一生懸命音楽をやったんです。売れず鳴かず飛ばずで帰ってきて現在の仕事になりました。


28歳の時、初めはホールでドリンクカウンターでドリンクを出すバイトからでした。


その半年後に店長になって、今はオーナーになりました。ホール自体は38年ぐらいで、僕がやり出して28年です。


ケバブ:プロジェクトはいつからですか?

片山:2018年ぐらいからですかね。

ケバブ:青木さんは脚本や演出全てされているんですか?

青木:最近はよくやらせてもらってますね。僕自体が今はそういうのを仕事にさせていただいているので。

もともと芸人から入って7,8年ぐらいは芸人としてご飯食べれてたんですが、事務所が潰れて次に来た仕事がお芝居の脚本演出だったんです。それが12,13年前ぐらいです。

ケバブ:それはいきなりですか?

青木:当時講師をやってて、その時はDa-iCEの花村想太とかがいたおかげで実績がありました。


事務所の人が青木さんに脚本演出どう?っていうので繋がりをくれたので、「やります!」って言って続いてる感じですね。


なので、自分がやりたいことをずっとやってきたというよりは最初から仕事だったので。12,13年続いてるということは多分そっちの方が向いてたのかもしれないですね。


漫才もたまにやってるんですけど、脚本・演出家とか企画立てたり作る系の方が多いですね。

ケバブ:そこのノウハウみたいなのは講師の時に培ったという感じですか?

青木:脚本は頑張ったら絶対に何本かは書けるんですよ。お金かかっていて、仕事だから責任があるじゃないですか。


演出は最初相当苦労しましたね。なのでいろんな劇団とかに頼み込んで、教えてはくれないから場当たりとか行って「本番お手伝いさせてください」って言って道具か照明か音響か何かの手伝いをしたらゲネとか見せてもらえるので、最終的に1年間で20,30本見させてもらいました。

でも結局ルールないなぁって思って。


自分がおもろいと思ったらとりあえずやってみるために自分の集団を作ったんです。自分の集団がないと試せないじゃないですか。仕事ばかりもらってたら答えを出すしかないので。


そして十何本やってる中で片山さんと出会ったんです。自分とこの団体では8本目ぐらいで、合計40本ぐらいやってると思うんですけどきっかけが『アンサンブルトルネード』なんです。

片山:きっかけがね。見てめっちゃ良かったので。

青木:ちょうど2017年ぐらいに立ち上げたamHALL(アムホール)でやるでかい何千人入れるミュージカル企画のタイミングで呼んでいただいたんですよ。

出会い〜全員にスポットライトが当たるミュージカルを創る〜

ケバブ:それぞれミュージカルチームとお芝居のチームを作ってるんですか?

青木:イカスケという団体で外部のお仕事やらせてもらってた時にちょうど片山さんとお会いしました。

片山:登場人物全員にスポットが当たってるのがすごいなと思って。そういうのがやりたかったんです。

青木:あれは難しいですよね。最初は言われるんですよ。

僕が作りたての頃は言われましたね。悪い意味で優しすぎるって。

本当は主役がバーンっていて、脇役がちょいちょいでアンサンブルがいるのが普通なので。

片山:普通そうですもんね。

青木:でも僕どうしても元々が漫才とかエンターテイメント出身でお芝居が好きなわけじゃないので、やっぱりどうやったら成立させられるかを考えました。

やっぱりある程度笑いをとっていかないと、お客様の集中も切れるのでもちろん難しいです。

これはこれで突き詰めていくと『フェイクアウトハーモニー』と繋がるんですけど。全員がある程度ちゃんと繋がるように無駄のないようにはしています。

片山:天才ですね。

ケバブ:めちゃくちゃ素敵ですね。

青木:その構成は役者頼みですけどね。

どっちかというと片山さんからこんな作品があって、キャストさんがこういう方がいらっしゃってっていうところからっていう作り方もあるんですよね。


演劇って二種類あるんですよ。

どんな材料使っても良いから斬新なものを作りなさいっていうのが上手い料理人と、あらかじめ材料がある中でこの中から一番美味しいカレーを作ってくださいっていうのが得意な作り手がいて。

僕は後者なんですよ。だからそういう意図も企画としてはありますね。

片山:ライブハウスをやっている中で、ミュージシャンもいれば役者もいればアイドルもいて。

その子達を一つにした作品を作ろうと思ったんです。全員にスポットが当たってる状態で。

青木:作り手によったらそれを嫌がるというか。

ロデューサーさんがいて、この人を立てて欲しいとかも当然あります。役者さんと会ってからもう一回本を書き換えることが多いんです。

役者さんの個性を活かしながら、でも作品の質は落とさないようにしています。

そこを大前提崩れるといくら役者さんがたっててもよくないっていうところで。


毎回僕としたらプロデューサーさんがいる方が意見もらえるし、ミュージシャンがいたらミュージシャンならではの視点がありますし、いろんなところでやってる方を集めて一つのものを作るっていう。

それで僕も成長しつつ大きくなっていく中で作り手の方も成長していったら、例えばシアタードラマシティをやりましょうってなってもできるかもしれない。


普段みんなにもよく言うんですけど、ここでやった時から次会う時まで何してたかが問題なんですよ。


僕も2.5次元とかもやりますし、大きい劇場でやるようなこともやっぱりやっておかないと、いざ片山さんがよし、シアタードラマシティでやろうってなった時にそこから準備じゃ始まらないので。


そういう意味ではミュージシャンの方もなんばHatchなどの大きな会場でやっているような方ばかりなので面白い企画だなとも思うし。


片山さんはやっぱり面倒見がいいので、終わってからの繋がりも強いですよね。コロナがあって間が空いちゃったりもしましたけど。

片山:コロナがあってもがき苦しみました。

青木:怪我の巧妙で今やってる『フェイクアウトハーモニー2』の企画は、出会いやすくなったんですよね。

amHALL(アムホール)だけだとある程度の人たちじゃないと出られないんですよ。

ここは多少ある程度若いというか。オーディションで選ばせていただいて今度もしかしたらその子達が大きい劇場でやる中で呼ばれるかもという中で、今回MONAの方とも出会わせてもらいました。MONAのこと知らなかったですが質高いですよね。

ケバブ:まだまだこれからですけど質が高い子達が所属しています。

それこそ僕らもコロナでだいぶストップしちゃったんですけど、コロナ前は世の中でいうセミナーは定期的にやっていました。

青木:なるほど。

ケバブ:ものの考え方とか芸として上手くなるんじゃなくて、人としてって言うところに芸がついてきた方が絶対長いですよね。

青木:間違い無いですね。

ケバブ:芸人さんもずっと出続けてる人って人間性がいい人って言われますよね。

青木:めちゃくちゃいいんですよ。

ケバブ:そこをしっかりやっていこうっていうところを最初すごく培っていました。

青木:逆に言うと、ビジュアルって才能の一つやと思ってて。

今回で言うと滝田っていうあの子は、ビジュアルも良くて影で努力家でもあるんですよ。MONAの方は同じ匂いがしましたね。

それはやっぱり素晴らしい。


変な話2.5次元とかやってるとビジュアルだけでほんまに何もできない子とかいるんですよ。それはそれで一つの才能としてあるんですけど。

でもここに集まる方は基本的に皆さん面白い方が多いので、そこはシビアに見てるかなと思う時ははあります。

『アンサンブルトルネード』きっかけはもう一度見たい!の想いから。

ケバブ:『アンサンブルトルネード』は元々あった作品ですか?

片山:そうです。だから本当に青木さんのきっかけでした。

この月にやろうっていうのはあって、僕がもう一回見たいからその時にこれやろうってなったんですよ。

青木:今回のやつはね。どうせだったらここのSoap operaでお芝居やりたいと。

普通はシアター型が多いと思うんですけど、この作品やったら3面の作りとか新しい形をできるんじゃないかと。

片山:実験的にね。

青木:ただ僕らの作品をやらせてもらうだけだと申し訳ないなと思っていたので、僕らとしてもちょっとは貢献できるのでありがたいなと。

片山:根底的には僕がもう一度見たいというのが一番デカくて。

青木:久しぶりにやらせてもらいました。前回から4人引きついできていて10人が新しく入られて。

ケバブ:書き直しはあったんですか?

青木:いや、ほぼなかったですね。

それをしようとも思ったんですけど、書き直ししちゃうとそれはそれで今回のに対しては違うのかなって思って。


だから役者の皆さんに頑張ってもらうという形だったので苦労されていましたね。

本は当然僕が書くんですけど、この作品ってどちらかといえば演出と役者で一緒に作った作品なので、どうしても前回出てた子にあってる部分もありました。それを今回は特に女優陣のシンデレラとかアナスタシアとかは乗り越えて、極端な話前回の作品の子よりいいなと思いました。

アナスタシアは初めての子だったのでいい出会いもありました。

片山:元々『BELIEVE』があってその後『COSMOS』を青木さんと一緒にやってそして『DREAMER』っていう風に、BCDって繋がってるんですよ。

『DREAMER』をやろうってオーディションして。全部で24名ぐらいのキャストが揃い、チケット売り出して初動で1600ぐらい動いたんですけどコロナで中止になってしまいました。一番その時が良かったんですけど真っ逆様に落ちて、どうしようと思いました。僕は小説をいくつか書いてるんですけど、その中の作品を舞台の作品にしました。

青木:やっぱり僕らもここでやらせもらうってなった時に、できたら片山さんの小説から原作にしてとかせめて原案にしてとかの方が意味があるなと思い3本も4本もやらせていただいてる中で、『フェイクアウトハーモニー』が4回目か5回目だった。

片山:『旋律クロスロード』だけは『BELIEVE』のスピンオフなのでタイトルは関係ないですけど、EもFもある。『Eraser』っていうのがあって、『フェイクアウトハーモニー』があってっていう感じでやってますね。ウケたので2をやります。

次作『フェイクアウトハーモニー2』

ケバブ:『フェイクアウトハーモニー2』は完全に新しい作品ですか?

片山:はい。

青木:『フェイクアウトハーモニー』の時は実質この物語の主人公みたいなのがいたんですよ。

原作を見させてもらった時にこれだけ片山さんの中で途中やったんですよね。

片山:序章やったんですよね。

青木:それが逆に筋としては面白くて。連続してできるように最初から作ってたんですよね。

片山:本当にそう思っていました。


青木:たまたまそこそこ評判をいただいたので、じゃあ『フェイクアウトハーモニー2』もっていう感じでキャストの方もオーディションさせていただいて。

前回から残るキャストは5,6人であとは全員入れ替わりでやっていこうって。

ケバブ:基本的に作品のスタイルというのは、どちらかといえば今回のように笑えるというか面白いをベースにストーリーの軸があるんでしょうか?

青木:『アンサンブルトルネード』は一番最新で書いてるので、いろんな意図があります。

大元がアンサンブルのドリゼラたちが1人の男の子を救うみたいな話なんですけど、その筋と自分達小劇場300人キャパでやってる子達が一生懸命1人のお客様のために頑張るぞっていう話を掛け合わせて書いたので、可愛らしい作品というか。


『フェイクアウトハーモニー2』は逆にどっちかというとハードな感じです。でも笑いは取りたいです。


いつもストーリー上の笑いにしておいて、万が一役者さんが滑っても役者さんのせいにならないように心がけています。

ギャグ的なやつは役者さんが滑った感が出るんですけど、ストーリー上のやつは滑ったとしてもストーリーが引っ張ってくれるので、笑いが取れたらいいけど取れなくてもストーリー上それが最後に伏線として繋がるようにしてるんです。


『フェイクアウトハーモニー2』もそういう風な作りになると思いますね。

スパイものなので、極力はギミックであったりストーリーの展開で誰がどう裏切るかなどストーリーが転がるよう入れ込みたいです。

ケバブ:楽しみですね。

青木:書いてても面白いみたいなのが『フェイクアウトハーモニー』なので。

僕らもSoap operaでだいぶさせていただいてるので、できたら90分ぐらいであまり長くならないように楽しめるようにしたいです。

でも歌も入れたいなっていうのはありますね。

片山:そうですね。僕らは基本ミュージカルなので、それで色々苦労はしていただいてると思うんですけれども。

青木:いろんな作曲の方とやっていますけれども、SOARS MUSICAL PROJECTはやっぱりすごいんですよ。

音楽を作る方とか編曲の方が第一線でやってる方なのでやっぱり面白いんです。

ここの作曲チームが一番強いですね。

他のところはもっと細かく指定しないといけないんですが、ここでは作品に合わせて「あ、こうしてくれはんのや」っていう感じです。

片山:青木さんのイメージでどんな感じでっていうのは聞きます。

ケバブ:音かストーリーかどっちが先行とかあるんですか?


青木:最近はストーリー先行に合わせてくれてます。

だから迷惑かけてるんですよ。脚本がめちゃ遅いので、今日の昼も作曲の方が見にきてはったんですけど、すって横に来て「どうなってます?」って。

一同:笑

青木:僕は天を仰いでおきました。

ケバブ・片山:「今日は言わんといてー」って言って(笑)

一同:笑

チャンスと掛け算で関西でも食べていける集団を作る。

青木:今度関西演劇祭っていうのにイカスケが出るんですけど、『フェイクアウトハーモニー』をさせていただいくことになったんですね。

それも吉本主催の結構でかいイベントなんですけど。

前回も賞をいただいて、オファーとか多くなったのでそういう意味で言うとちゃんとやりたいなって。

元々90分やったんですけど関西演劇祭45分なので。

片山:半分にしないといけないですからね。

青木:難しいところもあって今悩んでるところもありますが、関西演劇祭では、業界で言うとNHKだったり関西の局の方とか結構も見に来てくれはったりして『フェイクアウトハーモニー2』の宣伝もできるので、役者にちょっとでもチャンスをと思っています。

大前提としてはプレイヤーが関西にいてもご飯が食べられる状態を作れるようには頑張りたいですね。


片山:僕も28歳で諦めてやめようとしたように、一番最初のきっかけもミュージシャンが諦めていくのって勿体無いじゃないですか。

結果的に食えるか食われへんかの話で。

じゃあなんか刺激を与えたらもっと長くやっていこうという気持ちになってくれるんじゃないかって言うのもありました。


たとえばミュージシャンに「ちょっとお芝居やってみぃひん?」役者やったら「ちょっとミュージカルやってみぃひん?歌上手やん」みたいに集めています。

それぞれがそれぞれのお客さんを持ってるので、たとえばこの方に200人集まる、この方にも200人集まる、でもこの200人と200人はお互い知らないんですよね。

ひっつけてええもん見せたら400になるんじゃないの?っていう発想から、じゃあもっと食えるんじゃない?もうちょっと長くできるんじゃない?っていうところで『BELIEVE』がスタートしたんですよ。


役者さんもそれに似てますよね。やっぱり食えないじゃないですか。食えるようになったらいいなぁっていう発想ですね。


青木:そういう風にはしたいですね。こっちはこっちで頑張るんですけどね。

僕らも仕事を作れるようになる機会が増えれば、その分だけ一緒にやった役者さんを呼べるので。

片山:出会いがありますからね。

青木:ドラマの仕事あるねんけどって言われたらこの役者さんどうですか?とか最低でもプロフィール渡せるので。

ちょっとでもそういうことをできるためには、僕らも役者さんとかミュージシャンのことを知っておく方がいいんです。

どっかのタイミングでは若い作り手に引き継いだりしながらね。


片山:そうですね。そんな風なこともしながらね。

青木:僕らはもっと新陳代謝もしていかないといけない。

片山:もっと早いタイミングで動いていけるつもりやったんですけど3年コロナがあったので。


VISION

ケバブ:食べていける役者を増やしていく以外にも今後のVISIONはありますか?

青木:片山さんから最初に聞いてすごいなって思ったのは常設のミュージカル小屋を作りたいって。

これは大前提にあるんですよね?

片山:本来劇団四季とかそういうものになりたいっていうのがあって。

世界観としてはたとえばジブリとかディズニーでいいんですけど、そこに所属した人がたくさんの脚光を浴びれて食べていけるようにというところからスタートしました。

だから学校にもしたいんですよ。


ケバブ:宝塚みたいな?

片山:簡単に言ったらそうかもしれません。

ミュージカル学校みたいな。

その中で舞台を何度も重ねていくうちに上がっていけたらいいなって。

青木:なんかそう言う話は面白いなぁって。

関西にはやっぱりどうしてもミュージカルはないのでミュージカルやりたい人はみんな東京行ってるんですよ。

だから前の作品も元々関西にいた子を東京から呼んだりしてましたからね。

みんな出たいって言いますね。


2.5次元なんかも半分は関西人なんですが、みんな東京に行っちゃうんです。

言い方悪いですけどちょっとビジュアルがよくて頭のいい子なんかは直でそっちいこうとするっていう。


それもそれでもったいないなと。

在阪のそういう局のプロデューサーと喋ってても、在阪でもドラマやりたいけどやっぱりないんですよね。

NHKぐらいじゃないですか。NHKやったら当然事務所入ってないとダメということもあって。

青木さんのVISIONはなんですか?

青木:僕は逆に言うと海外に行きたいんです。

世界知ってるいろんな人とやりましたね。


アニメーションダンスで世界で活躍されてる方とか武術の世界選手権で賞を取ってる方とか、そういう方々と一緒にやりました。

マスコミ、メディアもやっぱり海外のメディアが来る中で、大阪の役者さんを連れて行ってこの子達をちょっとでもっていう。


最終的にはラスベガスとか行きたいですよね。

そのためにはダンサーであるとかミュージシャンであるとかそういういろんな方を知ってないと作れないですしね。

僕も振り付けはできないし振り付けは振り付けで、音楽作る人は音楽作る人でっていう繋がりもあって。

それぐらいの考えでやってると東京で通用するんじゃないかなっていうのももちろんあります。


だけど、最終どこに反映させたいかって言うとやっぱり大阪なんですよね。

関西でもっと食える仕事を増やしていきたいです。

片山:若い子が出たいって思うことも一つですし、目標となればって思います。

青木:僕ら20代の頃って結構この世界に夢があったと思うんですよ。

でも今って結構現実でみんな動くんです。

ネットももちろん配信も含めて盛んですからそういったことで世界とか当然意識したりもできるんですけどやっぱりライブでいけたらいいなぁっていうのがあったりしますね。

片山:生が一番ですよね。

青木:50代60代の芸能の方々もそうやってやりたいって思ってらっしゃる方が多いんですよ。

だからそういう方ともうまいことできないかなとか。


劇場も増えてきてる中で、毎日放送も梅田でキャパ1300ぐらいで作ってるからそこも何かできへん?っていう話はしてるんです。

僕らみたいに若いまだ人気もない人間たちですけどうまいこと何かできないかなって。


大阪も盛り上げたいなみたいな方は結構いらっしゃるし、片山さんもテレビ大阪にずっと密着されてたでしょう。

片山:それもコロナが原因なんですけどね。

クラスターが起きたのがまさしく青木さんと作ろうとした『DREAMER』で。

プレイベントで充電企画っていうのをよくやってまして。

青木:超満席で。

片山:一番いい時やったんですよ。『COSMOS』を経て前評判もあって。

青木:即完ばっかりやったんですよね。

片山:120席がほんま5分ぐらいで3公演全部即完で、「よっしゃー!」って思ってたんです。

その一発目やったんですよね。

青木:あの時、日本中もまだそんな感じじゃなかったんですよね。

片山:全然そんな事なかった。

ケバブ:2月ぐらいですか?

片山:2月19日です。

青木:今でも覚えてますよね。

片山:本当に鮮明に覚えてますね。

インフルエンザは流行ってたんで僕らもマスクしてましたし、わりと楽屋でもマスクしてる人多くてお客さんでもマスクしてる方が多かったんですけど、クラスターになってしまったんで。

真っ逆さまでした。


青木:その流れでまたミニマムなものを考えました。

山:コロナ対策で『旋律クロスロード』は、5人の少人数のミュージカルで、尚且つ60分で作ろうっていうところからスタートしました。

青木:結果としては良かったですね。見直すきっかけになりましたもんね。

片山:なりましたね。

ケバブ:またここからっていう感じですか?


片山:そうですね。止まらんぞっていう何かやらないかんぞっていうことと、ライブハウスをどうやったら使えるんだろうってことを青木さんに相談しながら、じゃあ朝からやってみようかとなって朝の9時スタートとかやりましたね。

青木:ありましたね。ど平日やったんですけど意外と入るんですよ。

何百人も動員持ってる方ではなかったけど呼べました。

片山:良い具合で埋まりましたね。

青木:そうですね。お客さんにもいろいろなものを提案していこうっていう風に模索するにはちょうどいい箱です。


本来であれば作品に沿って役者に演じてもらうので、演出や演技指導はしないんですけど、今は役者さんにも結構時間割けるので、この企画に関してはガンガンやりますね。


足りないところ、勿体無いところ、逆にいいところを見た上でちゃんと役も決めたり役を変えたりします。こっちの方がこの子できるなとか。

今回ちょっとこの子には自分の弱いところをやってもらおうとか。

そういうこともできるのは良さですね。いろんな意味で僕は意外にいいと思ってます。

ケバブ:僕らも関西から、大阪からっていうところをやっていきたいなと思っています。

お仕事をとるには東京東京って話を聞くんですけど。

やっぱりこの草の根っていうか地道に耕していく感じをそういうふうに思われている、気持ちが同じ方がたくさんいらっしゃるっていうことがわかったんで今回出演させていただけてありがたいです。

片山・青木:こちらもありがたいです。

青木:もっと若いか30超えてからとかはいるんですけど、20代半ばって意外と一番みんな東京行っちゃうかふわふわしてるかで年代的にはちょうど弱いところなので素晴らしいですね。

ケバブ:またお稽古始まったらよろしくお願いします。厳しく成長させてください。

青木:こちらこそよろしくお願いいたします。

片山:青木さん結構プレッシャーあると思いますよ。

10月の初本読みがあるからどこまでできるか(笑)

青木:ここまでは絶対書こうっていうのがあるんですよ。

全部は書かないと思います。

役者に合わせて書き換えるというのは今回も絶対やりたいなと。

特に今回は新しくていいメンバーだったので。

片山:いいメンバーが集まってますからね。

青木:結構前回から残るお客様もいらっしゃると思っていて。

だからこういう風にしようとか。わかってるのは着ぐるみが出るということです。

この企画は絶対着ぐるみをギミックに使うっていう感じは決めています。

片山:『フェイクアウトハーモニー』を始めに青木さんに話したときには、オープニングの主人公0013レディゴルゴが土に埋められてるところからスタートして007が掘り起こして「さぁ、敵を倒しにいくぞ」ってところまでしか書けてないんですよ。

ここから先いろいろなことが考えられるよねっていう話で。

ラマ仕立てにして8話ぐらいまで作ろうとか冗談混じりに話してました。

青木:いけるのかなって感じがしましたね。

片山:主役2人が固定でね。


青木:そうですね。0013とか007とか書いてあったのがすごく良くて、0013の女の人が一番偉いのよっていうワードは原作にあったので、だったら1から13までいるってことなので。

片山:トランプみたいにね。


青木:毎回主役の女の子がいて、rihoちゃんなんかは今回そのポジションに入ると思います。芦田雄太くんは007っていうポジションなので。

片山:楽しくしていただけると思います。

青木:いろいろやっていただくと思います。

歌も両方ともいけると聞いてるので、今回は歌もしっかり。

作曲が本当に素晴らしいので頑張りたいですね。


編集後記

もがき苦しむ期間を乗り越えながら関西でエンターテイメントを頑張る若者のために、強い信念と大きなVISIONを描き、前に進み続ける姿とお二人の素敵な人柄に胸が熱くなりました。

MONAも共に手を取り合い関西を盛り上げていきたいと思います。

まずはそんな第一歩。

rihoと芦田雄太が出演させていただく『フェイクアウトハーモニー2』

ぜひ会場に楽しみに来てください。

『フェイクアウトハーモニー2』

2024年1月17日(水)~22日(月)
*2チーム各6公演予定(全12公演予定)
*Wキャスト
場所:Soap opera classics-Umeda-
http://soarsmusic-soc.jp/

<STORY>
「コードネーム0013、通称レディゴルゴ」 が、華麗に裏社会の悪を撃つ?!
国家に育成雇用された、秘密工作員0013 “佐渡玲子(サワタリレイコ)” 裏社会で「レディゴルゴ」と呼ばれる無敵の彼女と、その命を救ったことがきっかけで、相棒となった秘密工作員 007“富岡聡(トミオカサトシ)”が挑む、次なる敵は?!
騙し騙されて生き抜く世界で、彼らを待つ運命や如何に?!
笑いあり涙ありのスパイコメディシリーズ待望の第2話がここに誕生!

Team Walther / Team Magnum
田北良平/ 芦田雄太
児玉愛 / 伊勢美琴
riho / 中原愛
合志優花 / MINORI
田中彩那 / 大友雅斗
妃那マリカ / BANRI
山口美羽 / 徳田眞白
田頭健樹 / 吉田恭平

原作・作詞/作曲:片山行茂
脚本/演出:青木道弘
作詞/作曲:近藤美里
作曲/編曲:山本アラタ
総合プロデューサー:片山行茂
主催:株式会社ソアーズ・ミュージック

《取材》ケバブ大吾・大森彩葉 《文》大森彩葉
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